2005-09-30
友人からの転送です。
先日紹介した、海南島戦時性暴力被害訴訟の報告です。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
☆海南島戦時性暴力被害訴訟第12回弁論報告☆
9月28日(水)11時から、東京地裁627号法廷で第12回弁論が行われま
した。
今回は、原告側の主張する証人申請を認めるか、認めずに次回結審かを決定する予定でした。結果からいうと、その判断は次回裁判(11月9日)に延期されました。
今年4月、裁判長と右陪席裁判官が新たに赴任しました。
この新たな裁判体は、直接の尋問による証拠調べを一切しないまま、この日の弁論で結審日を決めかねず、緊迫した状態でした。
すでに進行協議の時点で、裁判官は新たな証人申請を却下する姿勢を示しており、彼らは全くこの裁判の継続の必要性を感じていないようでした。
当日、約50席の傍聴席は満席で、20人近い方々が法廷の外から見守るかたちとなりました。原告側の弁論が始まり、証人として申請中のキムチョンミさんの陳述書が提出され、意見陳述が行われました。
その後、今回の裁判でも争点になっている除斥や国家無答責の法理に関して、専門家の意見を証拠として確認し、最後に原告弁護団からの意見陳述が始まりました。
当日提出された原告側の意見書を見た裁判官は、弁論開始時から何が始まるのかと落ち着かない雰囲気でした。原告弁護団から、これまでの裁判のあり方に関する批判が出されると、文字通り裁判官の目が点になり、とても「次回結審」を言い渡せるような雰囲気ではなくなりました。
交代前の裁判官は、4月の異動を知っていながら、3月の原告本人尋問を決定しました。つまり、自ら判決を書くことを事実上放棄する事を知っていながら、尋問を行なっていたことになります。そのような尋問で、裁判官が真剣に聞いていたとは到底思えません。「どんな思いで原告が来たと思っているのか…」。このような日本の司法に対する怒りが、代理人の陳述を通して、約15分間にわたり裁判官へぶつけられたのです。
裁判官としては予想外の展開になってしまったのでしょう、いったん法廷から退出、今回裁判の判断を話合っていました。
戻ってきた裁判官の判断は、今回の裁判で決定はできないので次回裁判にもちこすというものでした。
傍聴席の力と弁護団の訴え、裁判当日までのハガキ・FAXなどによる働きかけが、安易に「次回判決」の決定が下せない状況をつくり出したのは事実です。
しかし当然、これで証人採用を認めた訳ではなく、次回裁判でどのような判断を下すのかを私たちはしっかりと聞きとどけなくてはなりません。
また裁判官に対しても、原告の主張を認めない形で裁判を終わらせない様に、私たちは取り組んでいく必要があると思います。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
☆ハガキ&FAXの働きかけにご協力いただいたみなさまへ☆
裁判の支援をしているハイナンNETでは、今回の裁判の2週間ほど前から、ハガキやFAXによる裁判官への証人採用の働きかけを呼びかけました。
2005年3月の第9回弁論において、私たち原告側は遠路より熱意を持っていらっしゃった林亜金さんと、海南島研究者でいらっしゃる張応勇さんに、法廷で証人尋問をして頂きました。これは、裁判官に被害の事実について知ってもらい、公正な判断を下してもらうための大切な手続きでした。
ところが、前述したように、裁判官3人のうち2人が交代となり、現在裁判を行なっている裁判官2人は、原告の証言を聴かないまま結審をむかえようとしています。
私たちは法の正義が行なわれることを願い、新しい担当裁判官にも原告の証言を聴いてもらえるよう、手紙およびFAXでの投書を皆様にお願いしてきました。
セ記事を書く
セコメントをする